TIG溶接とは何か、そして溶接部を酸化から守るうえで欠かせないアルゴンガスの役割について解説します。白く美しく、高品質なTIG溶接を実現するためのポイントをぜひご覧ください。
TIG溶接(Tungsten Inert Gas)は、不活性ガス保護雰囲気の中でタングステン電極を使用して行うアーク溶接方法です。
機械加工業界では、最も一般的に使用される保護ガスがアルゴンであることから、「アルゴン溶接」とも呼ばれています。アルゴンは、空気中の酸素や窒素が溶融池へ侵入するのを防ぐ重要な役割を担っています。
1. TIGアークにおけるアルゴンの重要な役割
TIG溶接では、非消耗性のタングステン電極によってアークを発生させます。アルゴンは以下の3つの重要な役割を果たします。
- 保護雰囲気の形成
アルゴンは空気より約25%重いため、酸素や窒素を押しのけて溶接部全体と電極を覆い、外気から保護します。 - 導電性とアーク安定化
アルゴンはイオン化しやすく、安定した電流伝導を可能にすることで、集中した安定アークを形成します。 - 電極冷却
ガス流によってタングステン電極を冷却し、電極寿命を延ばします。

2. なぜアルゴンがTIG溶接に最適なのか?
他のガスと比較して、アルゴンには優れた特性があります。
- 完全な不活性ガス
あらゆる温度において溶融金属と反応しません。これはアルミニウム、ステンレス、マグネシウム、チタンなどの反応性金属を溶接する際に非常に重要です。 - 熱影響部(HAZ)が狭い
アルゴンは熱を一点に集中させるため、薄板材料の熱変形を抑えることができます。 - 表面洗浄作用(Cleaning Action)
AC(交流)溶接時には、アルゴンイオンがアルミ表面の硬い酸化被膜を除去し、均一で美しい溶接を実現します。
3. アルゴン使用時の技術的ポイント
ガス純度は“命”
特にステンレスやアルミのTIG溶接では、ガス純度が溶接品質の90%を左右すると言われています。
水分や酸素などの不純物が混入すると、タングステン電極は瞬時に汚染され、アークが不安定になり、ブローホール(気泡欠陥)の原因となります。
ガス流量(Flow Rate)の調整
- 流量が低すぎる場合
十分なシールドができず、溶接部が黒化・焼損します。 - 流量が高すぎる場合
ガス乱流(タービュランス)が発生し、外気を巻き込んでしまい、溶接不良やガス浪費につながります。
裏波シールド(Back Purging)
ステンレス配管の溶接では、外側のみ保護すると内側が酸化し、いわゆる「焼け」が発生します。
そのため、配管内部にもアルゴンを充填し、両面を美しく保護する必要があります。
4. 信頼できるアルゴンガス購入先・価格について
ガス供給会社を選ぶ際には、価格だけでなく、ガス純度やアフターサービスも非常に重要です。
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